NHK落語名人選 (20) : 六代目 春風亭柳橋
柳橋「先生」は、やはり「青菜」ですね。 |
落語芸術協会を設立した柳橋先生は、あの桂文楽師匠をも下に見ていたという逸話が残っております。
おそらく、戦前から、「帝王学」のなかで育ってきたのかもしれません。確かに「掛取り早慶戦」のような噺に時代を感じますが、このお方の噺は、私の知る限り、「トンチ教室」の「先生」でしかないのです。
いわば、本当は才能のある噺家が寄席を捨ててマスコミに出て行った最初ではないでしょうか?
良し悪しは、論じませんが、私は、「流れるような口調の」噺を聞くことが出来なかった人間として、残念です。
そういう中で、柳橋先生の「旦那」ぶりを示す「青菜」は、私の知りえなかった本当の柳橋先生を伝える貴重な記録と思うのです。