算数の発想―人間関係から宇宙の謎まで
難しい講義の前にその「ココロ」を知ろう |
算数の範疇に属する素朴なアイデアからはじまり、自然科学・社会科学の理論にいたる語り口は巧妙かつ爽快である。
扱っている内容もレベルを下げることなしに、しかし、平易な説明がなされており、数学科出身で、現在経済学研究者である著者の経歴が活かされた本である。
膨張する宇宙、市場均衡と市場の失敗、フラクタル、経済成長、協力ゲームのシャプレー値など、トピックスも満載。
経済学部生は、専門課程に上がる前に、本書を読むことで、学習効率が増すかもしれない。一読をおすすめする次第である。
また、同じ著者の「確率的発想法」も学生から社会人まで広くお薦めできる好著である。